弁護士 河合弘之

さくら共同法律事務所

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「3・11甲状腺がん子ども基金」

2016/09/19

%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2016-09-18-13-43-47 福島原発事故後、小児甲状腺がんが多発しています。世界では100万人に一人の発生率の小児甲状腺ガンが、福島県「民健康調査」では、がんやがんの疑いのある子どもたちは174名に上っています(6月30日現在)。リンパ節転移や遠隔転移、再発など深刻な症例が報告されています。しかし、政府は、東京電力福島第一原子力発電所事故の影響による健康被害は起きないとしており、包括的な支援策が一切とられていない状況です。

 理事を務める河合弘之弁護士(監督)は「甲状腺がんにかかった子どもとその家族たちは当然団結していると思っていたが、そうではなかった。彼らは完璧に分断されており、逼塞(ひっそく)した生活を送っている」と設立記者会見で述べています。

 

 このような状況を解決するためには、治療費や通院費などの給付を含めた経済的支援はもちろん、多様かつ継続的な支援体制が欠かせません。そこで、患者と家族を支援しようと2016年9月9日「3・11甲状腺がん子ども基金」設立の記者会見をしました。

 

 「3・11甲状腺がん子ども基金」は、独立性の高い資金によって、甲状腺がんの子ども等を支援するとともに、原発事故による健康被害状況の調査・把握を行っていきます。

 

みなさんの資金的支援をお願いしたい。

郵便振替: 00100-3-673248 「3・11甲状腺がん子ども基金」

問合せ: 080-3757-0311 http://www.311kikin.org/

 

 

 

「3・11甲状腺がん子ども基金」設立記者会見(9/9/2016:IWJ短縮版)

「3・11 甲状腺がん子ども基金」設立記者会見

理論の鬼!河合弁護士の画期的提案!! 

2016/09/11

as20160910000108_commlみなさんご記憶でしょうか?

2012年9月、当時の野田政権は”2030年代に原発稼働をゼロにする”というエネルギー・環境会議の決定を閣議決定するに至りませんでした。

その理由のひとつは、六ヶ所村の核燃料再処理事業に関する『覚書』の存在によるものと言われています。

 

河合弘之弁護士は、これに対し
「『覚書』は『事情変更の原則』により失効したのだ!」という画期的かつ実に論理的な法理論を展開!

2016年9月10日の朝日新聞朝刊「私の視点」欄に「核燃料再処理事業は中止できる」と提言しています。

 


 

 

朝日新聞「私の視点」 (2016年9月10日朝刊)

(全文掲載)

 青森県六ケ所使用済み核燃料を再処理してプルトニウム高レベル放射性廃棄物にする工場の建設が進んでいない。東京電力福島第一原発事故への反省から、原発をやめよう、まして核燃料をグルグル回して永久エネルギーにしようという無理な構想はやめ、その一部の再処理工場も止めようという動きがあった。

 それに対し、「工場は止められない」という強力な抵抗がある。最有力の根拠は1998年に青森県六ケ所村日本原燃株式会社(日本原燃)が締結した「覚書」だ。そこには「再処理事業の確実な実施が著しく困難となった場合には、青森県六ケ所村及び日本原燃株式会社が協議のうえ、日本原燃株式会社は、使用済燃料の施設外への搬出を含め、速やかに必要かつ適切な措置を講ずるものとする」とある。これを根拠に「再処理事業をやめたら、今ある使用済み核燃料を全て各原発に返送せねばならない。しかし、各原発の保管場所は既に満杯に近く、それは全原発の停止を意味するので返送受け入れは無理。だから再処理事業は継続するしかない」とする主張だ。

 現に野田政権はその主張にぶつかって腰くだけとなり、核燃サイクルの中止を決断できなかった。

 しかし、本当だろうか。覚書には「使用済燃料の施設外への搬出を含め」とあるだけで「元の原子力発電所に戻せ」とは書かれていない。日本原燃が別の場所を用意すれば良いのだ。また、各電力会社は覚書の当事者ではないから返送受け入れの義務はない。同様に国も覚書に拘束されない。義務を負うのは日本原燃だけだ。施設外への搬出ができなければ「債務不履行」となるが、その際は損害賠償その他「必要かつ適切な措置」を講ずれば良いのである。

 これに対し「国も電力会社も実質上は当事者で、『再処理工場をやめたら使用済み核燃は各原発に戻すという約束』があったのだ」という反論もあり得る。仮にそうだとすれば、その約束は「事情変更の原則」によって失効したと考えるべきだ。

 法律の世界では「事情変更の原則」というのがある。契約成立時の前提だった事情に大きな変動があれば契約は失効するという考え方だ。

 「失効する」といっても損害賠償や代替措置を講ずる義務は残る。だから日本原燃は十二分な損害賠償をすべきで、資金が足りなければ国は貸し付けなどの支援をすべきだ。賠償額は巨額になるだろうが、再処理事業を続ける青天井の額に比べればずっと少額で済む。また金銭賠償だけでなく青森県六ケ所村自然エネルギーなどの代替産業の整備が必要で、県民や村民が明るい展望をもって繁栄できるようにするべきだ。

「弱い人、困っている人を助ける弁護士」の有言実行。

2016/08/11

8月9日(2016)「自由なラジオ」に河合弘之監督が出演しました!

女優の木内みどりさんがパーソナリティです。

 

河合弘之監督(弁護士)は、「日本の社会問題として、一番大きな問題は原発問題であり、日本から原発をなくすこと以上に大事な仕事はない」と断言し、「もし、もう一度大きな原発事故が起きれば、他の問題は全て飛んでしまう。国を根底から覆してしまう」「だから、原発推進派の推進屁理屈を論破できる知識をみんなに身につけてもらおうと思い」「日本の原発問題の辞典みたいな映画」を作りました、と映画製作を始めた動機について語っています。

 

脱原発の出口としての次回作『自然エネルギー 未来からの光と風(仮題)』も「自然エネルギーの全体地図を表すような、自然エネルギーの辞典となるような作品として製作中」ですが、「各国での取材も終わり、12月には封切りしたい」と明かしています。「自然エネルギーが実力をつけること、それが、脱原発を推し進める」。だから、「両方が大事だ」と次作品を製作している動機も語っています。

 

木内みどりさんは、河合監督の満州からの引き上げ体験、弁護士としての仕事、社会貢献についても質問しています。河合監督の人となりがよく分かるインタビューです。ぜひお聴きください。

 

http://jiyunaradio.jp/personality/archive/019/ 

 

YouTubeでもご聴きになれます。ポッドキャストもスタートしましたので、いつでもどこでも聴くことができます!!

 

APインタビュー:日本の弁護士は言う「福島事故後、核は要らない」 

2016/04/11

kawai_AP_460x AP通信特派員の影山優理さんによる河合弘之監督/弁護士への単独インタビューが行われました。

Japan Lawyer Wants No Nukes After Fukushima(日本の弁護士は言う「福島事故後、核は要らない」)」と題する記事は、APから配信され、4月7日のWashington Post紙New York Times紙The Chicago Tribune紙、4月8日のJapan Today紙、4月11日のNew Jersey Herald紙に掲載されました。

司法が 再び 高浜原発を止めた!

2016/03/11

高浜原発運転禁止2015年4月11日、福井地裁の三人の裁判官(樋口英明裁判長、原島麻由裁判官、三宅由子裁判官)が関西電力に対し「高浜発電所三号機および四号機の原子炉を運転してはならないーー」という仮処分命令を発令し、高浜原発3、4号機は法的に動かすことができなくなりました。しかし、2015年12月、福井地裁の別の裁判官(林潤裁判長、山口敦士裁判官、中村修輔裁判官)により仮処分命令は取り消されました。

2016年3月9日、大津地裁(山本善彦裁判長、小川紀代子裁判官、平瀬弘子裁判官)は、関西電力高浜原発3、4号機の運転を禁止する仮処分決定を行い、10日午後8時前、稼働中だった3号機は運転を停止しました。トラブルで停止中の4号炉と併せ、運転することができなくなりました。

福島原発事故前は連戦連敗だった法廷闘争も、事故が起きてからは、大飯原発(福井県)の運転差し止め訴訟に続き、福井地裁の高浜原発運転差止仮処分、そして今回、大津地裁が再び高浜原発の運転を禁止しました。いずれも画期的な判決です。司法は原発の是非を問う場として機能しうるのです。

5年前の原発事故をきっかけに市民も、弁護士も、裁判官も変わりました。再稼働の阻止を求める係争中の裁判は全国で29件に上ります。稼働中の原発を止めた今回の決定は今後の各地の審理に大きな影響を与えることでしょう。

 

3月9日の決定を受けての脱原発弁護団全国連絡会の声明 (共同代表 河合弘之 海渡雄一)

原告団弁護団声明

仮処分決定1(HP用)

仮処分決定2(HP用)

『日本と原発』は社会に機能する映画

2016/01/12

2015年度キネマ旬報ベストテンが発表され、『日本と原発 私たちは原発で幸せですか?』が2015年文化映画ベストテンにおいて第9位を獲得しました。

 
『日本と原発』は弁護士が本業である河合弘之監督が、「伝わらないのなら、映像にしてでも伝えたい」と止むに止まれず作り上げた映画です。2015年の1年間で1,000回以上の自主上映会が開催され、観客動員数は約7万人以上になりました。

 

また、2015年12月18日の大津地裁(美浜、高浜、大飯原発差止訴訟)等の原発裁判では証拠として提出されています。2015年12月10日の鹿児島地裁(川内原発差止訴訟)では『日本と原発』が法廷で上映されました。そのほか、同年11月16日 の島根原発三号機の訴訟の期日(広島高裁松江支部)でも上映され、東京高裁 (浜岡原発運転差止裁判控訴審)、札幌地裁(泊原発)、松山地裁(伊方原 発)、名古屋高裁金沢支部(大飯原発控訴審)、新潟地裁(柏崎刈羽原発)、水戸地裁(東海第二原発)、金沢地裁(志賀原発)でも上映されました。。

 

長年脱原発訴訟を先導する弁護士が、その経験から原発について考えられるすべての問題を網羅し、社会を変えるためのツールとして提供された映画です。しかしながら、無味乾燥なツールではなく、号泣し、ユーモアに笑い、見終わった観客が「自分も何かできる、やりたい」と自信を持って行動するような映画です。それが、1000回以上の上映会開催につながっています。今までの映画の枠を超えた、社会に機能する映画の可能性を開くものになっています。

 

芸術作品を作るという企図を一顧だにせず、ファクトにこだわり、「これ一本で原発問題のすべてが分かるように」したい、と本来映画とは無縁の現役弁護士たちの、あらゆる原発の問題を盛り込んだ2時間15分の挑戦に対し、映画の芸術性を高めることを目的に優秀な作品を選んできた、伝統あるキネマ旬報が数多く上映された日本映画の中から、2015年度ベストテンの中に『日本と原発』を選んだということは、『日本と原発』が映画としての完成度の高さと訴求力の大きい作品になっていることの証左であると言えます。キネマ旬報社と、映画『日本と原発』の上映会を企画してくださった方々、多くの観客の方々に感謝します。

 

参照サイト:キネマ旬報文化映画ベスト・テン

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