弁護士 河合弘之

さくら共同法律事務所

脱原発

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『東電株主代表訴訟』弁護団長

東電株主代表訴訟は、取締役の個人責任を徹底的に追及する訴訟です。一度事故を起こせば、故郷そのものを消し去ってしまうような原発事故の管理責任者が、通常の製造業などと同じレベルの管理者義務でいいはずがない。

「大学の先輩(勝俣恒久氏・2011年当時東京電力代表取締役会長)と裁判で向き合うのは、本当に心苦しいよ。でも、これほどの事故を起こした東電の責任者が責任追及されなくていいはずがないんだ」。

 

●以下は『AERA 2012年3月5日号』(朝日新聞出版社)より抜粋

“あくまで前向きな河合でも、反原発運動にはどこかむなしさがつきまとった。やってもやってもなかなか成果が上がらず、徒労感が募った。反原発活動を知った企業から仕事を断られることもある。原発の背景にある権利構造の強大さに絶望しかけ、裁判でも敗訴が続くという状況に、そろそろ引退しようかと弱気になっていたとき、3・11が起こった。福島に何度も足を運び、故郷を追われた住民の姿に胸が締め付けられた。

 

河合が「極めて資本主義的制度」という株主代表訴訟の被告には、東電のドンと言われる会長の勝俣恒久(71)も含まれる。勝俣は、河合が青春を捧げた東大卓球部の先輩だ。毎年のOB会で顔を合わせてきた。「反原発なんてやって」。勝俣にそう言われ、「いやあ、やっぱり反原発でしょ」と河合が言い返すと、周りから「(勝俣さんも)河合を説得できなきゃダメですな」と仲裁が入った。

 

5年ほど前には、「もう原発は止めてください。自然エネルギーをやりましょう。そうすれば、協力できるじゃないですか」と書いた年賀状を送ると、勝俣からは「原子力ルネッサンス」とひとこと書かれた返事がきた。とはいっても、体育会系の河合は先輩を相手に法廷でむき出しの闘いを挑むことには正直逡巡していた。しかし、責任を取ろうとしない東電の体質を見て、「ビジネスと原発問題と両方をやってきた僕じゃないとできない。僕が前に出るしかない」と腹をくくった。

 

原発という人生最大の難題との闘いは、生涯をかけたものになるだろう。決着がつくまで退場はありえない。そう、河合は覚悟を決めている。”

 

『AERA 2012年3月5日号』は品切れ・再販未定となっています。

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